シチズンの製造年の調べ方

以前、「セイコーの製造年の調べ方」についてご紹介させていただきました。

国産時計はセイコーだけではございません。

もちろん、シチズンにも同じように製造年を調べる方法があるんです。

ぜひ下記をご参考に、お手持ちのシチズンの製造年を調べてみていただけたらと思います。


目次

シリアルナンバーについて

シチズンの製造年の調べ方

初期の手巻きモデルの製造期間

ホーマー系統の製造期間

デラックス系統の製造期間

自動巻モデルの製造期間

その他のモデルの製造期間

シチズン特有の用語・略号について


シリアルナンバーについて

シチズンの裏蓋には個体番号(シリアルナンバー)が刻印されています。

下記の個体を確認すると「90500772」という8桁の番号が割り振られています。

1桁目:製造年

シリアルナンバー1桁目の数字は製造年を表しています。

上記画像の「シチズン・クリステート」は、1967年から1970年頃まで製造されていたモデルです。

シリアルナンバーの1桁目が「9」なので、製造範囲内の「1969年」に製造されたことがわかります。

(写真:シチズン クリステート デラックス)

2桁目と3桁目:製造月

シリアルナンバー2桁目と3桁目の数字は製造月を表しています。

01=1月、02=2月、12=12月、とそのまま読み取っていただいて構いません。

今回ご紹介のシチズン・クリステートの場合、シリアルナンバーの2〜3桁目が「05」なので、「5月」に製造されたことがわかります。

4桁目以降が表す意味:製造番号

シリアルナンバーの4桁目以降の数字は、時計の個体識別番号(製造番号)を表しています。

シリアルナンバーについての補足

ご紹介の個体のシリアルナンバーは8桁ですが、6桁や7桁のものもあります。

また、個体によっては「00」や「14」など、月が断定できない数字が刻印されている場合や、当該機種の製造期間より後の番号のものもあり、この原則が適用できない場合もございます。

あくまでも「ケースの製造年月」表示のため、「製品製造年月」と断定はできません

あらかじめご了承くださいませ。


シチズンの製造年の調べ方

1950年代から70年代にかけてのシチズンの時計は、早いと1年も経たずに改良が行われたり、後続モデルが登場します。

近年でも、おおよそ10年周期でモデルチェンジが行われているため、上記で紹介した年式の照合が可能となっています。

シチズンが手がけた主要なモデルについて、現在わかる範囲で公開させていただきましたので、ぜひお手持ちの時計の製造年月を調べてみてください。


初期の手巻きモデルの製造期間


Model

製造開始

生産終了
本中三針 1949年
B中三針 1950年
B中三針「改」 1952年頃
新本中三針 (S中三)
1955年
三つ星19石 1957年
ジュニア 1958年 1960年頃
マスター 1959年 1960年頃
アラーム 1958年 1967年頃
アラームデイト 1964年 1972年頃
シチズンセブン 1964年 1967年頃

ホーマー系統の製造期間


Model

製造開始

生産終了
ニューマスター 1960年 1961年頃
ホーマー 1960年 1980年頃
ヤングホーマー 1962年 1972年頃
ホーマーデイト 1962年 1973年頃
ホーマーウィークリー 1963年 1964年頃
エクセル 1963年 1971年頃
エクセルデイト 1963年 1971年頃
ヤングデイト 1964年 1972年頃
ヤングデイトG 1965年 同年中
スーパーデラックスデイト 1965年 1967年頃
クリステート 1967年 1970年頃
クロノマスター 1967年 1972年頃
クロノマスタースペシャル 1968年 1972年頃
レコードマスター 1967年 1972年頃
シャイン 1967年 1981年頃

デラックス系統の製造期間


Model

製造開始

生産終了
デラックス 1958年 1962年頃
スーパーデラックス 1958年 1965年頃
エース 1961年 1966年頃
スーパーエース 1963年 1965年頃
エースデイト 1963年 1965年頃
ハイライン(23石) 1961年 1966年頃
ハイライン(25石,27石)
1961年 1965年頃
スーパーハイライン 1963年 1965年頃
スーパープレシジョン 1966年 1968年頃
ハイラインデイト 1963年 1967年頃
クロノメーター(31石) 1962年 1966年頃
ダイヤモンドフレーク 1962年 1970年頃
ダイヤモンドフレークデイト 1964年 同年中にデイトフレークに切り替え
デイトフレーク 1964年 1970年頃

自動巻モデルの製造期間


Model

製造開始

生産終了
ジェット 1961年 1968年頃
ジェット・オートデーター
1962年 1968年頃
ジェット・ルーキー 1962年 1968年頃
スーパージェット(特別調整品)
1963年 1966年頃
ユニオート 1963年 1965年頃
オートデーターセブン 1958年 1964年頃
カトラス
1965年1970年頃
セブンスターDX 1965年1970年頃
スーパークリスタルデイト
1966年 1967年頃
クリスタル7 1965年 1969年頃
クリスタル7カスタム 1967年
クロノマスター 1967年 1969年頃
クロノマスタースペシャル1968年
1969年頃
キングローター 1968年
ログマスター 1968年 1969年頃
クリスタルデイト・ダイバー 1968年
ダンディ7 1968年頃 1971年頃
セブンスターV2 1969年 1971年頃
レオパール 1969年 1972年頃
レオパール10 1970年 1972年頃
レオパール8 1971年 1972年頃
レオパール・ハイネス 1971年 同年中
シチズン・ハイネス1971年 同年中
カスタムV21970年
グロリアスシチズン 1971年 1972年頃
チャレンジタイマー 1972年 1980年頃
チャレンジゴルフ 1972年 1973年頃
チャレンジダイバー 1975年

その他のモデルの製造期間


Model

製造開始

生産終了
X-81966年
X-8クロノマスター1969年
X-8コスモトロン1969年
コスモトロン・クロノメーター1970年
コスモトロン・デイト1970年
コスモトロン・スペシャル1972年

シチズン特有の用語・略語について

裏蓋などに表記されている用語や略語の一部をご紹介いたします。

フィノックス : スイスから購入した切れないゼンマイ。1951年7月頃導入。

パラショック : 国産初のテン真の耐震装置。1956年4月発表。

プロフィクス : 受石と穴石を一つのブロックにまとめた、国産初の組み合わせ軸受の保油装置。1958年8月発表。

3P : フィノックス、パラショック、プロフィクスの3点セットのこと。

パラウォーター : 国産初の完全防水ケース (スナップ式)。 1959年7月発表。

CGP : シチズン特厚金メッキ側。Citizen Gold Platedの略。メッキ厚み20ミクロン。スイスから技術導入し、1958年8月頃から採用。SS製の裏蓋もあり。

CGPA : シチズン特厚総金メッキ側。裏蓋の表示がCGPとなっているものもある。

EGF : 特厚金張り側。裏蓋はSS製。

CSP : シチズン特製ステンレスメッキ側。

CCP : シチズン特厚クロームメッキ側。

SHS : 硬質ステンレス側。

BL :  硬質軽合金側(ブラッキーケース)。

UHA : 白色超硬質合金側。

JA : 宝石 (メノウ、紫金石等)側。

STAR : 1932年にスター商会を合併することによってできた、ケース製造部門が作った純正ケースであることを示しています。


関連リンク

腕時計の製造年の調べ方(ロレックス・チューダー・オメガ・IWC・セイコー)