腕時計の用語解説

腕時計の各部分の名称や、よく使う時計用語についてご説明いたします。

「日本語」だったり、「英語」だったり、結構混在していて分かりにくかったりしますよね。

ぜひ、この機会に整理してみてはいかがでしょうか?


目次

・文字盤 各部の名称

・外装 各部の名称

・ベルト 各部の名称

・その他の時計用語


文字盤 各部の名称

(1)文字盤(ダイヤル)

「時計の顔」と言っても過言ではない「文字盤」のこと。

「ダイヤル(ダイアル)」、「干支(えと)」とも言います。

(2)インデックス(目盛り)

各時間を示すためのマーク(しるし)や数字のこと。

インデックスの特徴や、その文字盤のデザインを言い表すことも多い。

例:「アラビアダイヤル(アラビア数字/算用数字表示のインデックスの文字盤)」

  「ローマンダイヤル(ローマン数字表示のインデックスの文字盤)」

  「クサビインデックス(楔/くさび状のインデックス」など。

(3)針(ハンド)

長針、短針、秒針の3針をはじめ、GMT針、月齢針、アラーム針、パワーリザーブ針、クロノグラフ針など、それぞれの機能に対応した針が存在します。

機能だけでなく、その形状によっても呼び名が異なります。

「剣(けん)」とも言います。

例:「ドルフィン針(ドルフィンハンド)」、「アルファ針(アルファハンド)」

例:「長剣=長針」「短剣=短針」「剣回し=針回し(時刻合わせ)」

(4)日付け(デイト)

日付け表示のこと。

現在の腕時計では、3時位置に「日付」を配置し、「アラビア数字」で表示するものが多い。

モデルによっては、「曜日」や「月」の表示が搭載されているものもある。


外装 各部の名称

(5)ケース(ミドルケース)

時計の本体のこと。

ケースの形状によって、「トノーケース」「クッションケース」「ラウンドケース」など呼び方が変わる。

近年ではケースサイズ(直径)も多岐に渡り、サイズだけを見てメンズとレディースに分けることができなくなっている。

時計を横から見た際、「風防」と「裏蓋」の真ん中にあることから「ミドルケース」とも呼ばれる。

(6)リューズ・竜頭

時計を操作するためのつまみ。

一般的には、リューズで、「ゼンマイの巻き上げ(手巻き)」や「時刻合わせ」「日付の早送り(クイックチェンジ)」を行う。

ダイバーズウォッチなどは、防水性を高めるために「ねじ込み式竜頭」を採用するモデルもある。

(7)ベゼル

風防(ガラス)の外周を囲んでいる部分。

ダイヤなどの宝石があしらわれたデザイン性の高いものや、経過時間の計測ができる回転式のベゼルなど、文字盤と同じく時計の顔とも言えます。

(8)風防(ふうぼう)・ガラス

ケースにはめ込まれたガラスおよびプラスチックの部分。

ヴィンテージウォッチはプラスチック製(アクリル製)の風防が多く使用されている。

そのため、素材の「ガラス」と区別させるためか、「風防」と言うことが多い。

裏蓋(バックケース)

ケースの裏側に備わった蓋の部分。

古くは、ただはめ込んでいるだけだったが、防水性能の高いスクリューバックや、ネジを留めたもの、裏蓋にガラスをはめ込んで、内部のムーブメントが見えるように加工されているものもある。

バックケースと呼ぶこともあります。

裏蓋の外側(もしくは内側)にメーカー名の刻印やリファレンスナンバー(型番)、シリアルナンバー(個体番号)が刻印されているものもある。

また、ワンピースケースと呼ばれる防水性能を高めた一部の時計は、ミドルケースと裏蓋が一体となっているため、裏蓋が存在しないモデルもあります。


ベルト各部の名称

腕時計を腕に巻きつけるためのパーツ。

金属製であれば「ブレスレット(ブレス)」「メタルバンド」とも言う。

ベルトを変えるだけで時計の雰囲気が変わるため、その日のファッションや季節に合わせて交換する人も多い。

バックル

金属ベルトの留め金部分のこと。

バックル内のピン(バネ棒)の位置を変えることで、ベルトの長さの微調整が可能。

(※微調整ができないモデルもあります。)

革ベルトでもバックルタイプの留め金(Dバックル)に交換することもできます。

尾錠(びじょう)

革ベルトの留め金部分のこと。

多くの革ベルトがサイズ調整用の穴に、尾錠の真ん中の部分(つく棒)を通して固定する仕組みです。

ブランドのロゴマークの入った尾錠はなかなか手に入らないので、ベルト交換の際には処分しないように気をつけてください。


その他の時計用語

ムーブメント

時計内部の駆動装置全体のこと。

機械式時計のムーブメントは、ゼンマイを動力源として稼働している。

ゼンマイを巻き上げる方法によって「手巻き式ムーブメント」「自動巻ムーブメント」の2つに大きく区分される。

ゼンマイ

機械式時計の動力源のこと。

長いリボン上の金属製の板バネが巻かれたもの。

巻かれたゼンマイがほどける力を利用して、機械式時計は稼働している。

キャリバー(Cal.)

ムーブメントの型式番号のこと。

違うモデルでも、共通のムーブメント使用している場合も多い。

モデルによっては30年近く作り続けているものもあるため、搭載しているムーブメントの番号だけで年式を特定することは不可能です。

表記する際は、「Cal.1570」「C.861」などと略されています。

ムーブメント内部の歯車の軸を支える部分に使われている石のこと。

一般的に「人工ルビー」が使われることが多い。

使われる石の数が多いほど「高級機」と言われるため、ヴィンテージ時計の中には使用している石の数を文字盤に表記しているモデルも多くあります。

リファレンスナンバー(Ref.)

そのモデル(時計)自体の品番、型番を示す数字。

通になると「モデル名」ではなく「型番」で呼ぶことも多い。

同じモデルであれば「リファレンスナンバー」も同じになる。

例:「Ref.1601(ロレックス・デイトジャスト)」「Ref.16520(ロレックス・デイトナ)」

シリアルナンバー

その時計固有の「製造番号」のこと。

基本的に同メーカー内には同一の「シリアルナンバー」は存在しない。

メーカーによっては、「シリアルナンバー」からおおよその製造時期がわかります。

ギャランティ

新品で購入された際に、販売店から発行される保証書のこと。

ヴィンテージ時計のほとんどは、色々な人の手に渡っている中で紛失してしまったり、当時は保証期間が切れたら捨ててしまっていることも多いため、基本的に時計に付属していることは稀です。

そのため、ギャランティが付属していなくとも全く問題ありません。

夜光(やこう)

文字盤のインデックス等に塗られた「夜光塗料」のこと。

日中蓄えた紫外線により夜光が光ることで、暗いところでも時刻を知ることができます。

しかし、ヴィンテージ時計の場合、長い年月が経っているため、蓄光しなくなっている個体がほとんどです。

夜光に使われている素材(ラジウム・トリチウム・ルミノバなど)から、おおよその製造年代が読み取れます。

日差(にっさ)

時計の時刻が24時間でどの程度ズレが生じるかの目安。

極端に遅れたり、進んだり、時計として使用するのが難しくなった場合、オーバーホールを推奨いたします。

ハック機能

秒針を任意の位置で止めることができる機能。

一般的に竜頭を引くことにより、秒針が止まり、基準時刻に合わせることができる。

なお、機種や年式によっては「ハック機能」がもともと付いていない時計も数多くあるます。


まとめ

この他にも、時計用語はたくさんあります。

とはいえ、このあたりの用語を理解してから時計屋さんに行けば、より一層、時計のことが理解できると思います。

もちろん、知らない用語があったら、遠慮なく時計屋さんに聞いてみてください。

どこのお店でも親切に教えてくれると思います。

誰でも初めは「初心者」ですから、何も恥ずかしがることはありません。

気軽にヴィンテージ時計の世界に入ってみてください。


2024年12月6日 追記