腕時計のベルトの種類や交換方法について

皆さんは腕時計を選ぶ上で、どこを見て決めていますか?

よく「顔」と表現している文字盤はもちろんのこと、着いているベルトも決め手のひとつになりますよね。

ベルトは素材や形状によって着け心地が異なり、見た目の雰囲気もガラリと変わる実は重要なパーツだったりします。

今回は、そんなベルトの種類や、ご自身で交換する方法まで、ご紹介させていただきます。


目次

ベルトの種類

ラグ幅とベルトサイズについて

バネ棒について

ベルトの取り外し方法

ベルトの取り付け方法


ベルトの種類

腕時計のベルトは大まかに4種類に分られます。

・革ベルト(レザーベルト)

基本的には天然素材で作られており、金属製のベルトよりも軽量で肌馴染みが良く、カラーリングや素材の種類も豊富です。

代表的な「カーフレザー(牛革)」「クロコダイルレザー(ワニ革)」「リザードレザー(トカゲ革)」をはじめ、ホース、カイマン、アリゲーター、パイソン、オーストリッチ、シャーク、ラムなど多種多様な種類があり、凝りだすと止まりません。

また、天然素材のため、経年により色味や風合いが変化するのもレザーベルトの醍醐味です。

・金属製ベルト(ステンレス・チタン・金無垢など)

主にケースと同じ素材で作られていることが多く、水や汗に強く、耐久性も高いのが特徴です。

スポーツモデルにもスタンダードモデルにも合わせられる上、デザインによって雰囲気がガラリと変化するのも魅力です。

また、ヴィンテージ時計に絞って話をすると、現行モデルに採用されている金属製ベルトとは製法が異なっているモノも多く存在します。

現行モデルでは金属の塊から削り出している重量感のあるベルトが多いのに対し、ヴィンテージモデルでは薄い金属の板を巻き込んで繋げられた、軽量で腕にフィットしやすい金属製ベルトが多く採用されています。

・ファブリック製ベルト(布・ナイロンなどの織物)

ファブリック製ベルトは昔からある素材ですが、最近改めて注目されているアイテムの一つです。

織物ならではのしなやかさや、着け心地の良さが魅力で、どんな時計にも合わせやすく、よりカジュアルな雰囲気を演出することができます。

第二次世界大戦中に、アメリカ軍が一般兵士向けに供給した時計にナイロン製NATOベルトが使用されたことで、それ以降、各国の軍用時計に広く採用されていました。

ちなみに、人類初の月面着陸の際に着用されていたオメガ・スピードマスターや、映画『007』のジェームズ・ボンドが着用していたロレックス・サブマリーナにもナイロン製NATOベルトが取り付けられていました。

・ウレタン/ラバー製ベルト

ウレタン/ラバー製のベルトは1960年代にプロフェッショナル・ダイバーズウォッチのために開発されたベルトです。

レザーベルトに比べ耐水性が高いため、水や汗に強く、夏場にも使いやすいアイテムです。


ラグ幅とベルトサイズについて

ラグとは、時計本体から出ている足のような部分で、ここにベルトを取り付けています。

サイズは定規やノギスなどで簡単に測ることができ、基本的には時計のラグ幅ベルトの接続幅が同じであれば、ベルトを取り付けることができます。


バネ棒について

バネ棒とは、腕時計本体とベルトを繋げる金具のことです。

ベルトの取り付け部が筒状になっており、そこにバネ棒を通します。

ベルトに通したバネ棒の先端を、時計のラグの内側の穴(ラグ穴)に入れることでベルトが取り付けられています。


ベルトの取り外し方法

ベルトの取り外し方法は主に2種類あります。

特殊なモデルを除いて、基本的にはベルトの種類に関わらず、専用工具【バネ棒外し】を使用することで、ベルトを取り外すことができます。

ラグの外側に穴がある時計のベルトの取り外し方

バネ棒外しの【I字型】側をラグ穴に差し込み、中のバネ棒を押し込みます。

バネ棒を押し込んだ状態(バネ棒の先端がラグ穴から外れた状態)で、ゆっくりとベルトを外側にズラします。

片方が外れたら、もう片方を同じように押し込んで、取り外し完了です。

ラグの外側に穴がない時計のベルトの取り外し方

バネ棒外しの【Y字型】側を、ラグとベルトの隙間に差し込み、バネ棒の先端の溝に引っ掛け、押し下げます。

バネ棒を押し下げた状態(バネ棒の先端がラグ穴から外れた状態)で、ゆっくりとベルトを外側にズラします。

片方が外れたら、もう片方を外して取り外し完了です。

固くて外れないときは、バネ棒が錆びていたり、ラグ穴と固着している場合があるので、無理をせずに当店までご相談ください。

パリス管(はめ殺し)式の時計のベルトについて

パリス管(はめ殺し)式の時計は、時計本体とベルトを取り付ける棒(ラグ棒)が一体化しており、ラグ棒に直接ベルトを巻き込むオープンエンド式のベルトや、NATOベルトが取り付けられているため、バネ棒外しでベルトを取り外すことはできません。

・ネジ留め/ピン留め式の時計のベルトについて

ネジ留め/ピン留め式の時計は、ラグ棒が専用のネジやピンになっており、バネ棒外しでベルトを取り外すことはできません。


ベルトの取り付け方法

まずは、ベルトにバネ棒を差し込み、両側から均等にバネ棒の先端が出るように入れます。

片方のラグ穴にバネ棒の先端を入れます。

もう片方のバネ棒の先端の溝にバネ棒外しの【Y字型】側を当てて、バネ棒を押し下げます。

その後、バネ棒を押し下げた状態のまま、ゆっくりとベルトをラグの内側にズラします。

バネ棒の先端がラグ穴に収まり、カチリと音が聞こえたら取り付け完了です。

一般的な金属製ベルトや、ラバー製ベルトも同じ要領で取り付け可能です。

※取り付け完了後、必ず、ベルトを軽く引っ張ったり、ズラしたりして、ベルトがきちんと取り付けられているか確認してください。

・ナイロンストラップ/NATOベルトの場合

まずは、バネ棒のみを時計のラグに取り付けます。

ベルトの長い方を金具から外します。

外したベルトの長い方を12時側の上から通し、時計の裏側にくぐらせて6時側の下から通します。

次に、ベルトの長い方を、短い方の金具へ通します。

時計の位置を調整して、たるみを取ったら取り付け完了です。

余った部分は金具に巻き込んでご使用ください。


まとめ

時計のベルトはファッションのひとつですので、「この時計には、このベルトじゃないとダメ!」ということはありません。

その日の服装やイベントに合わせて、毎日のように付け替えても良いんです。

ベルトの交換方法は、それほど難しいものではないので、是非この機会にトライしてみてください。

※慣れない内は、ケースやベルトに傷をつけてしまったり、パーツを紛失してしまうこともありますので、お気をつけください。

スイートロードでは多種多様なベルトを取り扱っており、実際に試着してお選びいただくことが可能です。

まずは、お気に入りのベルト探しからはじめてみてはいかがでしょうか。

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