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シーマスター (SEAMASTER) とは

今回は、オメガを代表する「シーマスター」について、ご説明します。
多くの方が「シーマスター」という言葉から連想するのは「ダイバーウォッチ」かと思いますが、スタートはそうではありませんでした。
オメガにおける「シーマスター」の立ち位置を知ると、もっと「シーマスター」が好きになるはずです。

シーマスターとは

シーマスターロゴ

オメガは、1948年に発表した「自動巻の防水腕時計」に初めて「Seamaster」という名を冠しました。

当時のシーマスターのコンセプト(キャッチフレーズ)が、「街に、海に、郊外に」というもの。要するに、「いつでも、どこでも」オールマイティなシーンに着用できる時計こそが、シーマスターだったのです。ですので「フォーマル」な印象を抱くデザインになっているのです。

「自動巻」ということで、ムーブメントは「ハーフローター式の自動巻ムーブメント(Cal.341)(Cal.350)」を採用し、「防水性」については裏蓋を「ねじ込み式」にすることで担保しました。
これらの防水性については、1954年にスイス・ヌーシャテルにある「スイス時計研究所」が行ったテストで、50個のシーマスターがテストされて、どの時計も水深60mに相当する圧力に耐え、内部に水分は全く入っていなかったという記録が残っているそうです。

シーマスター

多くの方が連想するシーマスターのダイバーズウォッチは、1950年代半ばにならないと誕生しません。それよりも以前に、日常で使用する上では何も問題がないほどの「防水性を持った時計」こそが、「シーマスター」なのです。

シーマスターの歴史

シーマスターは、先に話したように、1948年に誕生しました。しかし、ルーツとしては、これより以前、世界大戦の際にイギリス軍の納入したスチール製の防水軍用時計にあります。

ねじ込み式の防水性のある裏ブタを採用したこの時計が、シーマスターのケースの原型なのです。

戦争が終わり、軍用時計で信頼性の高かった防水ケースを採用し、文字盤の色をブラックからシルバーに、手巻きムーブメントから自動巻ムーブメントにして、初代シーマスターは誕生しました。

その後は、上記のように、「シーマスター」を冠するモデルが続々と発表されていきます。当初は「自動巻」からスタートしましたが、途中「手巻き」モデルが出るなど、種類も様々です。

シーマスターの歴史

シーマスターが選ばれる理由

知名度が高い

このように、「オメガ=シーマスター」といった系譜は今だに続いています。「シーマスター」から連想されるモデルは、人によって違えど、「シーマスター=オメガ」なのです。この知名度の高さこそ、今だに選ばれる理由の一つだと思います。

使い勝手が良い

「スタンダートモデル」から「プロフェッショルモデル」まで豊富なラインナップを抱えているのがシーマスターです。オールマイティに使いたいから「シーマスター」を選ぶ、本格的なダイバーズがほしいから「シーマスター」を選ぶ。このように、様々なニーズに合致する時計をラインナップしているのがシーマスターなのです。

コストパフォーマンスが良い

先にもふれたように、1948年からシーマスターは世界中で販売されてきました。また、長きに渡って、様々な派生モデルも誕生しています。

近年のヴィンテージウォッチ、アンティークウォッチのブームにより、数が少なくなってきたとはいえ、シーマスターはまだ比較的入手しやすい価格で探すことができます。その上、メンテナンス性も高く、これから先もオーバーホールをしながら末永く使い続けることが可能で、入手コスト、維持コストの両面からみても、コストパフォーマンスが高いと言えます。

シーマスターの歴史年表

1948年 初の「シーマスター」発表
1952年 「シーマスター・カレンダー」発表
1955年 ダイバーズとしての「シーマスター300」発表
1957年 スピードマスター発表
1958年 「シーマスター・クロノグラフ」発表
1960年 「シーマスター・デ・ヴィル」発表
1964年 「シーマスター30」発表
1965年 「シーマスター600」発表
1966年 「シーマスター120」発表
1966年 「シーマスター・クロノストップ」発表
1967年 「シーマスター・コスミック」発表
1969年 「シーマスター・コンプレッサー」発表
1970年 「シーマステー・メモマチック」発表
1970年 「シーマスター・エレクトロニックf300Hz(音叉式ムーブメント)」発表
1970年 「シーマスター・600(プロプロフ)」発表
1971年 「シーマスター・1000mプロフェッショナル」発表
1971年 「シーマスター・オートマチック・クロノグラフ」発表
1972年 「シーマスター・コスミック2000」発表
1988年 「シーマスター200(プレボンド)」発表
1993年 「シーマスター・プロフェッショナル300」発表
1995年 映画『007 ゴールデン・アイ』で主人公ジェームズ・ボンドが「シーマスター・プロフェッショナル300」を着用し、人気になる

シーマスターの主要なラインナップ

スタンダードモデル

初期のシーマスターに代表されるような、時針、分針、秒針からなる「シンプルな3針モデル」。

後に、「日付け」が付いたり、「2針」になったり、「手巻きムーブメント」や「電池式(クオーツ)ムーブメント」を採用したモデル、裏ブタのない「ワンピースケース」採用モデル等も登場しますが、基本はブレずに、「シンプルな3針(2針)モデル」です。

【代表的なモデル】
「シーマスター」「シーマスター・クロノメーター」「シーマスター・デ・ヴィル」「シーマスター30」「シーマスター600」「シーマスター・コスミック」「シーマスター・カレンダー」等々

ダイバーズモデル

多くの方が「シーマスターといえば、これでしょ」と連想するプロフェッショナル向けのモデル。

「シーマスター」=海の時計(ダイバーズウォッチ)といった印象を抱くように、「回転ベゼル」がついたり、視認性を高めるために目立つ夜光の入ったインデックスだったり、太く目立つ針だったりと、より使用環境に適したデザインになっているモデルです。

【代表的なモデル】
「シーマスター300」「シーマスター200」「シーマスター600プロプロフ」「シーマスター120」「シーマスター60」「シーマスター200(プレボンド)」「シーマスタープロフェッショナル300m」等々

クロノグラフ

オメガ=「スピードマスター」と認識している方も多いはず。
オメガを代表する「スピードマスター(ムーンウォッチ)」も源流は「シーマスター」に繋がる。

初代「スピードマスター」は、「ブラックの文字盤」や「アロー針(矢印型の針)」「ねじ込み式の裏ブタ」と、「シーマスター300」からのスピンオフといっても過言ではない。

1958年発表の「シーマスター・クロノグラフ」は、シルバーの文字盤が主流で、スピードマスターと比べると「上品でエレガントな印象」を抱きます。その他にも60年代後半から70年代頃には奇抜なカラーリングが目を惹く個性的なクロノグラフモデルが数多くリリースされています。

【代表的なモデル】
「スピードマスター」「シーマスタークロノグラフ」「シーマスター・オートマチック・クロノグラフ」「シーマスター・クロノストップ」等々

なお、1980年代にはクォーツムーブメントを搭載した数多くのシーマスター派生モデルも誕生しています。

今でこそ、「シーマスター」というと「ダイバーズウォッチ」の印象が強く打ち出されていますが、回転ベゼルがつかない、見た目はシンプルな3針の現行モデル「アクアテラ」など、「シーマスター」カテゴリーに分類されており、今だに初代シーマスターから脈々と続く系譜を見てとれます。

まとめ

このようにみてくると、いかに「シーマスター」がオメガの腕時計の源流であるのかがご理解いただけるかと思います。
改めて「シーマスター」を見てみると、まだまだ魅力的なモデルが見つかると思います。
スイートロードは昔から「オメガ」が得意なお店ですので、興味を持たられた方はぜひ、お店まで足を運んでみてはいかがですか?