今更聞けない機械式時計とは
機械式時計とは
機械式時計とは、歯車や細かいパーツが組み上がってできた精密機械で、ゼンマイが動力源となります。(巻き上げられたゼンマイの解ける力で時計が稼働します)
機械式時計はゼンマイを巻き上げる方式により、「手巻き」と「自動巻き」に分類されます。
ちなみに、電池が動力源となっているものは電池式時計(クォーツ式)と呼ばれ、機械式時計ではありません。
手巻きとは
手巻きとは、ゼンマイを手動で巻き上げる方式のこと。
リューズと呼ばれるパーツで、手動でゼンマイを巻き上げ、稼働させます。
手巻きの使用方法
リューズを通常12時方向にゆっくりと巻き止まりまで巻き上げ、一度の巻き上げで約30時間程稼働します。
手巻き式時計には、ゼンマイの巻き止まりがあり、巻き止まり以降無理に巻き上げを行うと故障の原因となりますのでご注意ください。
手巻きの長所と短所
長所
- 手巻きをする楽しさがある。
(時計に命を吹き込むイメージ) - ゼンマイを巻き止まりまで巻上げるため、精度が安定しやすい。
短所
- 使用する前に手巻きをしないと稼働しない。
自動巻きとは
自動巻きとは、ゼンマイを自動で巻上げる方式のこと。
ローターと呼ばれるパーツが腕の動きに合わせ回転することで、自動的にゼンマイを巻き上げていく方式です。
自動巻きの使用方法
止まっている状態から使用する場合、少しの振動で時計は稼働しますが、ゼンマイの巻き上げが不十分だと精度が不安定になってしまいます。
止まっている状態から着用する場合は、リューズを10回から20回程手巻きによる巻き上げを行い、針が稼働したのを確認してから時刻を合わせます。
それ以降、毎日使用する場合はローターが自動でゼンマイの巻き上げ行うため、手巻きを行う必要はありません。ただし、年式が古い物や、自動巻きの巻き上げ効率が悪い物に関しては、手巻きによる巻き上げ補助が必要となります。
自動巻きの長所と短所
長所
- 手巻きをしなくても自動でゼンマイを巻上げてくれる。
短所
- ゼンマイが巻き上がっているか分からない。
- ローターの運動量が少ないと止まってしまう。
クォーツ(電池式)とは
クォーツ(電池式)時計は電池が動力源となっています。
電池を使い、時計内部の水晶振動子を振動させ、振動がIC回路からステップモーターに伝わり、歯車を動かし、針を稼働させます。
クォーツ(電池式)の使用方法
電池が切れるまで使用することが可能で、手巻き、自動巻きと違い、特筆するべきところはありません。
クォーツ(電池式)の長所と短所
長所
- 安価に購入することができる。
- 高精度で、ほとんど時間がずれない。
短所
- 故障した際、修理ができないことがある。(一生物として使用する事が難しい)
機械式時計の取扱上の注意
衝撃
機械式時計は歯車や細かいパーツが組み上がってできた精密機械のため、ぶつける、落とす等の衝撃が原因で故障が発生することがあります。
そのため、スポーツをする時、自転車やバイクに乗る時の着用は避けてください。
防水機能
ヴィンテージウォッチは非防水となります。
見た目が綺麗であっても、目に見えない小さな経年があり、そこから水分が入る可能性があります。
そのため、プールや水仕事をする際は外してください。
磁気
時計内部が磁気を帯びてしまうと、精度に大幅な誤差が生じたり、場合によっては止まってしまうこともあります。
そのため、スマートフォン、電化製品等の磁気製品から10cm以上離して保管してください。
時間の誤差
機械式時計は、現行品、ヴィンテージに関わらず日差が発生します。(一日で生じる誤差を日差と言います)
数日おきに時刻の修正を行う必要があります。(日差は年式や固体により異なります)
保管場所
保管する際は、高温多湿、埃っぽい場所は避け、時計ケースなどに入れ保管してください。
防虫剤や乾燥剤を使用しているタンスなどに保管すると、薬剤の成分により時計内部の潤滑油が変質する恐れがありますのでご注意ください。
分解掃除
機械式時計は使用頻度に関わらず、定期的なオーバーホール(分解掃除)が必要となります。
年式や個体差によりますが、オーバーホールの周期は3年から4年となります。
機械内部の油が気化し、油切れを起こしたり、油が汚れた状態で使い続けると、歯車や内部パーツの消耗が早くなったり、時には破損してしまうことがあります。
古いパーツは当然有元です。
時計を良い状態で維持していくためにも、定期的なオーバーホールをお勧めしております。